駒ヶ根駅前リニューアル工事完了

市街地再開発事業として駒ヶ根駅前広場がリニューアルしました。
しかしこのことを市民でさえ知らないのも事実で、それが今の時代を反映しています。市では「駒ヶ根市の玄関口としての魅力不足を解消したい」との想いがあるそうです。

高速バスがなかった時代、上京するためには駒ヶ根駅から特急列車に乗り込みました。当時の特急車掌さんは真白な制服姿でとても華やかでしたね。かつては東京とを結ぶ玄関口はただひとつ、駒ヶ根駅でした。
以前の駅舎内には喫茶室があり、近所のモダンなお年寄り達が集っていたように思います。あの緑色のジュースがクリームソーダだということを知ったのも、ずいぶんと経ってからでした。古くは、駅を出た左側に映画館もあったと聞きます。文化はいつも駅からやってきて、それを求める人々が駅周辺に集まる光景は何と眩しかったことでしょう。
駅舎の傍らでは、登山者たちが大きなリュックサックをおろして床で寝ている光景も日常的でした。今よりはるかに駒ヶ根駅は登山の玄関口としての役割を担っていたのです。中ア観光の赤いバスは、たくさんの登山客やロープウェイ客を乗せて重そうに黒煙を吐きながら駅前を発車、広小路を上って行きました。
駒ヶ根のランドマークは中央アルプスです。駒ヶ根高原/光前寺を起点に、インターチェンジを経て駒ヶ根駅に至るまでの線がより太く一本に繋がると、観光地・高速道路・高速バス・鉄道がすべてリンクすることに気づきます。街がリンクした日、駒ヶ根駅前は起点としてあるいは終点として再び輝きを発し始めることでしょう。このリニューアルはその一環であると期待しています。
では皆様また来年!