だんごの神様

当社は国道153・伊南バイパス沿いにありますが、すぐ南側の信号「南田経塚」をローソン方向に曲がって30メートル進んだ右側に「だんごの神様」と書かれた石碑があります。石碑と東屋とお墓という奇妙な3点セット。お墓なのに「神様」?であり、しかもなぜ団子?不可思議に思えるこのお墓は今でも土でこしらえた団子がお供えされます。
墓碑には「妙雪信女 享和元年(1801)」と刻字されており、220年ほど前に建立されたことがわかります。伝承板によれば、お墓の主は源蔵の母親とされ、団子屋に奉公していました。亡くなる時に団子が食べたいと懇願し、それを聞いた近所の老婆が団子をこしらえて届ける途中で転んでしまい団子には土が付いてしまいます。それでも母親は喜んでその団子を頂戴し、「お礼に、死後は私の霊魂で人々を助けてしんぜる」と言い残して亡くなったことから、いつしか「病気が治る」「子供が息災に育つ」と言われ、民俗的信仰を得ました。そして祈願成就のお礼には、土の団子と白手ぬぐいを供える風習から「だんごの神様」と呼ばれるようになったと言われています。今でもお供えされるお団子は、経塚のどなたかが神様を大切にされてお供えされているのでしょうか?ここからのアルプスは千畳敷がきれいに眺められる場所でもあることから東屋も建てられ、大切に守られている空間です。