大御食神社の例大祭

大御食神社の例大祭が9月15日~16日の両日にかけて行われました。大御食神社のお祭りは、神輿を担ぐ荒々しい祭とは異なり、獅子行列が練り歩くのが特徴です。悪魔を振り払う獅子が赤穂の街を練り歩き、その前方をお練り行列が先導するわけです。横笛のお囃子が街中に鳴り響く中、古式ゆかしい一行はゆったりと歩を進めていきます。目にも華やかな装いの行列が続く一方で、どこか長閑(のどか)でゆったりとした時間が流れ、晴れ渡った秋の空の下では誰もが夢心地の気分です。
一転、神社境内に到着したフィナーレでは、胴体を切り落とされるのを察知したかのような獅子の激しい舞の後、「えい!」の一太刀で獅子頭が切り落とされます。激しさの余韻と、熱気を帯びた境内。そして最後は静かに祭壇に奉納された獅子頭。神事はこうして終わるのです。
あまりにも創建の歴史が古く、社史が刻まれた神代文字を神主でさえも解読できずに数百年。ようやくその神代文字が解かれ、歴史の壮大さが知られるのは明治になってからでした。創建以来1,900年、今もこうして例大祭は守られています。後世も、御祭神である日本武尊(やまとたけるのみこと)のご加護が続くように、氏子でお守りしていかなければなりません。