中古のキャンピングカー

夜が明けない早朝に、飯島町の「道の駅」を通過する時期がありました。いつからか週末になると、ある県外ナンバーの普通車が夜を明かしています。「車中泊」というやつでしょう。次の週末も、そしてまた次の週末も来ています。

キャンピングカーならばともかく、それが普通車ならば、本人は「車中泊」のつもりでも、地域住民にとっては単に「不審車」です。気味悪く感じるものですから、実は多くの人が監視していたと思います。
全国の「道の駅」で、「車中泊・お断り!」を掲げている理由は、この様に近隣住民への配慮も含まれていることを理解するべきでしょう。

車中泊があたかも「趣味」であるかの様に扱われる昨今にも、皆様はどうお考えでしょうか?
車中泊といった行為は災害時や、金銭的事情からやむを得ず行う行為であり、そして警察官からは「職務質問」を受けてしまう行為だと思うのですがどうでしょう?
「道の駅」はキャンプ場でもないのに、車内で「煮炊きや飲食」をしてそのまま「就寝」、「トイレは道の駅を使い放題」にして「一晩中そこにいる」行為が許されるとは思えません。
住民に嫌われながら一夜を過ごすよりも、駒ヶ根市内や周辺市町村のホテルや旅館を是非ご利用いただきたいと、切にお願いします。

さて前出の方はというと、この方は程なく古~いキャンピングカーを購入して変わらずに訪れるようになりました。たとえ古くても、本格キャンピングカーの威力は絶大で、「怪しい車中泊の人」から一転、「キャンピングカーで旅する人」に大変身してしまいます。
「不用心な田舎の家を狙った、プロの空き巣犯ではないのか?」などと疑ったりもしましたが、逆にウェルカムな気持ちが大きく芽生えます。
古くても本格的なキャンピングカーは高価ですし、コンビニへ行くのにも、あのキャンピングカー一台しか持っていないとしたら相当な覚悟です。そこまでして、毎週伊那谷に来たいという熱意を感じました。
疑いが一転すると、私のお得意な妄想パワーもフル回転をし始めます。
「カメラマンで、伊那谷の自然を撮影して歩いているのではないか?」「中央アルプスに魅了された登山愛好家か?」…。

キャンピングカーであってもオートキャンプ場等での停泊が正式なマナーですから、道の駅はやはり褒められるものではありません。ただ、あのキャンピングカーの方からは、何故か多くの方が、やがて取るであろう次の行動を予感したはずです。
あれから4年。もしかしたら、もう既に伊那谷のどこかで暮らしているかもしれません。