駒ヶ根はオワコンか?「動き始めた市長選」

駒ヶ根市長選の投開票が、2024年1月21日に行われます。
二期連続トップ当選を果たす市議・松崎剛也氏(48)が8月に出馬を表明。早々に周知を図る戦略に出る中、再選を目指す現職の伊藤祐三氏(63)も、9月下旬になってから出馬を表明しました。
今、多くの市民が、街の未来に希望を抱けない状況です。果たして駒ヶ根は、このまま「オワコン」への道を歩んでしまうのでしょうか?

2020年にスタートした伊藤市政でしたが、任期のほぼ全てがコロナ禍であった事は不運であり、ひどく同情します。
おまけに、駒ヶ根市の財政再建問題は深刻なだけに、カネがない市政で腕を振るえと言われても、土台無理な話であっただろうことも理解しています。
一方で、経営者仲間からは、「市長はどんな街にしたいのか?」という声を多く耳にしました。「俺は駒ヶ根をこうしたいんだよ !」といった「熱量」を、せめて受け取りたかったのだろうと思います。経営者たちは、市長が目指す方向を共に向きたかった。市長が目指す駒ヶ根の未来像を、共に創造したかったのでしょう。
選挙選では、現職は大変優位な立場にあります。アドバンテージを活かして、2期目に向けた「伊藤流/駒ヶ根ビジョン」をお示しいただけることを期待しています。

一方、市議から市長への転身を狙う松崎剛也氏。初当選時から二期連続トップ当選を果たすことからも、「将来の市長候補」と囁かれていました。「ゴーヤ君」と慕われる人気ぶりと、48歳の若さと、溢れる熱量は魅力的です。
彼の演劇で培った経歴は、ひょっとすると市政に化学反応を生み出すかもしれません。瀕死の駒ヶ根にとっては、彼の芸能力が特効薬になる可能性があるという推測です。
民衆が弱っている時の芸能力とは大変なもので、空気を暖め、場を明るくし、高揚感を高め、ひいては明日への活力を与えます。
駒ヶ根市は閉塞感が支配して若者の活力を奪い、「駒ヶ根オワタ…」などと希望を奪い取っています。今の駒ヶ根市長にふさわしい人物像とは、市長自らが市民の中心で輝きを放つ、芸能力を持った人物が効果的かもしれません。
駒ヶ根市民の深層心理には、かつての中原市長のような、若い市長の再来を待ち望む気配があることも、選挙戦を左右する注目点と思います。

どちらが市長になるにせよ、輪の中心には一生懸命盛り上げようとする市長がいて、遠巻きの市民も「まあ、じゃあ、俺らもやってみるか!」といった「駒ヶ根モデル」の再来がなければ、この街は本当に「オワコン」になってしまう気がします。

photo: 2万年もの間、駒ヶ根を見守る千畳敷カール。