南天が彩る師走

古くからのお宅では、南天の木を多く見かけます。真赤に色付いた南天の実が、鈍よりとした師走の駒ヶ根に映えています。
南天は~難を転じて福となす~に通じることから、縁起の良い木として植えられているものとばかり思っていました。そして赤い実は、食べ物の少ない冬には鳥の好物になっていいなあなどと考えていたのです。ところが、12月に実った果実は天日で乾かし、冬期の咳止めや解熱として煎じたのだそうです。さらには、お祝い事に食べるお赤飯。昔のお赤飯には、ひと片の葉が添えられていた記憶がありますね?あの葉の正体は南天の葉だったのです。南天の葉には「ナンニジン」という成分が含まれており、お赤飯の腐敗を抑える作用がありました。昔の人には敵いません。縁起物でもあり、生薬でもあり、防腐剤でもある「南天」。どうりで、どのお宅にも植わっている訳です。 ????皆さま、良いお年をお迎えください。

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